2013年9月3日火曜日

私たちが幸せを感じる理由の英文日本語訳と感想

Dan Gilbert: The surprising science of happiness
ダン?ギルバート:「私たちが幸せを感じる理由」
http://www.ted.com/talks/dan_gilbert_asks_why_are_we_happy.html

TEDの英文日本語訳資料
https://sites.google.com/site/tedjapaneseenglishnote/list/dan_gilbert_asks_why_are_we_happy

【キーワード抜粋】
・前頭葉皮質には多くの役目がある 一番重要な役目は 疑似体験をすること

・脚の機能が失われた1年後と宝くじを当てた1年後とでは
 宝くじの当選者と下半身麻痺の患者は 人生において同等の幸福を感じている

・衝撃偏向と呼ばれるもので 疑似体験の働きを悪くする傾向のこと
 疑似体験の中では結果の違いが 実際以上に大きいと思ってしまう

・本人は私たちが思うほど衝撃を受けていなければ感情的にもなっていない

・ 幸せは作り出すことができる

・人類には心理的な免疫システムのようなものがある
 自分が属する世界をより良いものに感じられるように世界の見え方を変えてくれる

・幸せは作り出すものなのに、見つけるものだと考えてしまう

・人工的幸福はいわゆる 自然発生的幸福ほど価値がないと考えてしまう

・自然発生的幸福とは欲したものが手に入ること
 人工的幸福とは欲したものが手に入らなかったときに自ら作り出す幸福

・社会では人工的幸福は 二流の幸福であるという強い信念が横行している
 それは、同等の幸福を感じるならば 経済のエンジンは回らなくなってしまう

・人工的幸福はその細部にわたるまで
 自分がまさに望んでいるものを手にするという幸せと 同じくらい リアルであり 長続きするもの

・心理的免疫システム、つまり幸福を作り出す能力は 私たち全てに備わっている

・意思の決定や 変更における選択の自由は、人工的幸福にとっては敵

・心理的免疫システムは私たちが 袋小路に入り込んだときに最も効果的に働く

・交換可能な条件は 人工的幸福と相性が悪い

・物事の善し悪しなんて本当は存在しない 我々の思考がそのように見せるだけだ

・人類の生活における苦悩や無秩序の多くは
 永続的状況とそれ以外の状況との差異を 過大評価しているところに帰依するようだ

・どれも、慎重さや公平さの規律を犯すまでの 情熱をもってして 追い求める価値はない

・選択が異なる未来の差異を過大評価することによって
 強引で拙速なものになると、リスクが生じる

・望みは制限なしだと、我々は嘘をつき人を騙しものを盗み
 他人を傷つけ 本当に価値のあるものを犠牲にする

・同時に恐怖が限られたものであるなら
 我々は用心深く慎重で分別をもって行動できる

・私たちの願望や心配は
 自らの内で作り出されるために どちらも大げさなものとなり
 その結果 何かを選んだ後も常に別の何かを探し求めている


【感想】
重要な点は、人は幸せを自分の中で作り出すことができる。
幸せには2種類あり、自然的幸福(ほしいものが手に入る)と
人工的幸福(無理やり幸せを感じるもの)がある。
その二つの幸せには感じ方に違いはないということである。

本当に幸せを作りだせるのかとう点は
記憶健忘症の人たちへの絵画の実験が参考になりますね。
嫌いなものでも長年もつと愛着が沸くのに似てるのでしょうか。
それは幸せと無理やり言わされているのではなく
本当に幸せであると感じているということです。

ではなぜ人は不幸と感じるのだろうか。
欲しいものが手に入らない。
しかも、なぜか幸せを作り出すことができない。
先の動画では自由や選択があると人工的幸福が作りにくいと言っている。
日本人が豊かなのに不幸に感じるのと関係あるのではないか。

あーしとけばよかった、もっと勉強しておけばよかったなど。
これが人工的幸福の作成を邪魔するものだ。
つまり、多くの日本人がある程度の自由、選択の中で
正しい道を選ぶことができなかったということかもしれない。
そう感じるのは、幸せの解釈の仕方が間違っているということでしょう。
幸せの未来という形が決まっており、それが常識となっている。
それから外れたものは不幸しか待っていない。
そういった認識が頭にあるからだと思う。
人工的幸福のことをもっと多くの人が知らなければいけないし
子供の頃からそういった教育をしていくべきだろう。

1 件のコメント:

  1. 僕もTED Talk観てます。面白いですし、知的好奇心を刺激されます。今日初めてこのサイト見たんですが内容も感想も面白かったので今後も読んでみます。僕が最近観てみて面白かったのがTali Sharotの"Optismistic Bias"です。もしまだ観ていないようでしたら観てみてください。今後もブログの更新がんばってください!応援してます。

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